2016-01-01から1年間の記事一覧

台風が来る前に、実家の墓参りに行きました。 しかし、あらためて読むと、別の発見もある。リゴベルタが繰り返し「秘密」という言葉を口にしていることに気がついた。 たとえば、インディオの子は「人に添う影の様な」ナヴァルをもって生まれるという。ナヴ…

意味より速く意味として伝わるものって あるよね。 たとえば悪意とか、孤独(自身の)は いちばん速くくる。 そしてのこる。 百のことばの意味がその後きても。 ことばはひとつの行為だから (そう。このことばも) 行為としての意味がある。 そして、それが…

メモ2

誰にでも自分のお気に入りの酒がある。私は実在するということのうちにすでに十分な酔いを見出す。自分を感じることに酔い、彷徨し、まっすぐ歩いてゆく。時間になれば、みんなと同じように会社に戻る。時間がきてなければ、河のところまで行って、まるで世…

鳥を見る少女

Manuel Álvarez Bravo 私は少女をファインダー越しに見ていて、彼女は鳥を見ている と 写真家は言う。 写真を見ている私たちは視野の落差を見ています。 「鳥を見る少女」である というキャプションひとつで。

夏のおわりに

木立ベゴニア 挿し木で増える花で、亡くなった伯母から義母が受け継いだものを 更に挿し木して貰い受けました。 その後、義母宅では枯れてしまい、我が家で絶やしてしまっていいものかと 強迫観念に駆られ、さらに大量に挿し木をして、再び義母や親類、友人…

山手線の駅から放射状にのびる私鉄の一つに乗って 西にある部屋に帰ります 山手通り 環七 環八通り きれぎれの同心円の外側へ抜けるたびにビルは消えていき 崖線を越えて一段低くなって 野川 そのあたりから夕暮れが急ぎはじめて 多摩川の鉄橋を渡り 丘陵地…

空に 跡

夜になると、何故か熱が出ます。どこも痛くないのに。 時間をさかのぼって、こども部屋の本棚の中で眠りたい。 その手に取られるのを待って。 こういう女が昔、本の中にもいたでしょう? そんな記憶があってもいいような気がして。 ある筈ないよね。 だから…

アルバレス・ブラボ写真展

小雨の中、写真を見に行ってきました。 企画展 | 世田谷美術館 SETAGAYA ART MUSEUM 世田谷美術館はちょっと行くのに不便な場所にあるので、どうしようかと思っているうちに 会期が過ぎていきましたが、行って本当によかったです。 シンプルなのに重層的 景…

クウェンティンという人

語り手として、この人ほど信頼のおける人はいないと 以前、思ったことがあります。 『アブサロム、アブサロム!』はそれなくして 成立たない気がして。 どうしてかな。 知性と繊細さと南部の家長的な性格が同居しているから? 純潔と名誉と破滅と そして死を…

夏休み

こどもと墓参りに行きました。 家事と買い物に行く以外は、オリンピックを見ながら 84歳になる義母ととめどなくおしゃべり。 西はとても暑かったです。 もう極力火を使わない方針で 近所のスーパーで売られている蛸がとてもおいしくて そればかり食べていま…

やさい

玉蜀黍(近隣産) こどもの友人のご実家野菜。すごく大きい。 (茄子と胡瓜一本ずつでこの量!) とてもおいしい。 食べるものをこんなに立派に育てるなんて 凄いなぁ と こどもに言います。 こどもが私を見る目は、かつて私が母を見た目。 あさってから夏休…

内部の出来事

夢のなかでことばに触れることはない それは奇妙な程 それでも(だからこそ?)これは 半透明のことばの欠片で できている と思う 音のない ことばで 絶えず組み立てられかけては 放棄されていく その繰り返しの合間を歩いて行くと 不意に エピソードがやっ…

語り と 物語

語る人 その物語は もうあなたのものになっているのですか? と ききたくなるときがあります 語られるときは終わっている あなたの手の中にある 物語は物語のなかで閉じて 語られ 次の瞬間には語る人をはなれ 開かれるのを待つものになる 物語 それ自体のた…

犬の散歩中

マロニエとくたびれたハナミズキの街路樹を抜けて 夏の郊外駅の連絡通路をくぐる 明るくて 暗く 明るい 古くからある民家の点在する丘陵地へ抜けると 赤土の庭に百日紅 くしゃくしゃに丸められた花紙のように 懐かしく日に褪せている色 扇情的な そして芙蓉 …

書かないときは

日記を書けない日は 何もしていません。でも書いてみる。 ネットの古本屋さんから 上記ご注文につきまして既に出荷いたしましたが 発送時に点検した所、コメント欄になかった 裏表紙等への書込みがございました。 まことに申し訳ございませんでした。 お詫び…

海を知っている

たくさんの浅葱斑アサギマダラ - Wikipedia を見ました。 声も重さも持たないものたちが 南西諸島まで移動する 休符のような それでも旅をする個体 ここにいて そこにいる それだけ 問いだけが舞うみたいでした。

夏がきたので

涼しいところでたくさん眠ったり、普段読めない本を少し読んだりしようと 思っていたのに、何故か奥蓼科のほうまで行き、山まで登ってしまいました。 夏空 逃げ場のないほど光があふれていて、手首、足首が日焼けで赤くなりました。 本は一頁もひらかず、寝…

御射鹿池

本当のわたし = いつも視界の端で揺れる葉の影のような 対象a

枯野という船

此の御世に、兎寸(うさき)河の西に、一つの高き樹有り。其の樹の影、旦(あさ)日に当たれば、淡道嶋に逮び、夕日に当たれば、高安山を越ゆ。故 是の樹を切りて、作れる船は、いたく捷(はや)く行く船なり。時に其の船に号(なづ)け枯野と謂ふ。故是の船…

現代短歌の歌をつくる工程のはんぶんは 意味を抜く作業ではないかと思います。 意味を抜くことで違う意味に出合っていくこと。 過剰や重複によって意味の位置を動かしている ように見える歌もあります。 そのままでいられないのは言葉ではなくて (それはは…

Cinema Paradiso

チャーリー・ヘイデンとパット・メセニーのカバー ' Beoyond the Missouri sky'「ミズーリの空高く」に入っています。 涼しい一日。 よく眠れた日は眠りの不思議さに浸されたまま 半日くらい過ごすことができます。 眠りのどこかでなされた同意のもとに 忘却…

すれ違うスマホを持つ人が、みんなポケモンの名前を言っている 夕方、雨上がり、涼しくてあかるい。

夢の中の街

稜堡 Wols ヴォルス - Wikipedia 兼写真家で音楽家、アンフォルメルの代表者でタシズムの先駆者と言われるけれど 描いた絵を手放そうとせず、また、どこのグループにも属さずさすらい続け、アル コール依存症になったが治療を受けて再起を図っていたのに、あ…

関東は肌寒い一日 先週、仕事で益子の窯にお邪魔し、「つくってみませんか?」と言われて 思いがけず、土に触らせてもらいました。 窯から出した器の釉薬に細かい罅の入る(貫入といいます) 「ピーン」という小さな絶え間ない音に包まれながら、おずおずと…

悲しかった と言えば極北を指す磁石を 捨ててしまうのです。 ここにはなにもないし、そちらに行っても何もない と 夢で言われました。 「ええ。知っています。」

雨鳥

一昨日は、駅まで帰ったところで激しい雷雨に捉まって、傘は持っていたけれど雨宿り をしました。階段はそんな大人たちでいっぱいでした。屋根を激しく打つ音と、時折下 から風に乗ってくる飛沫と。 電車が着いて、傘を持たない小学生の男の子が二人、降りて…

動物とか機械とか

非凡の半分が非人間的なもので出来ているというなら 平凡の半分(かそれ以上)だってそう。巧緻なメカニズム。 情緒的なことが人間的 というのはどうなのでしょう? ある情緒のコードに従う人ほど、異なる現われ方に厳しく 共感を強いることが多い。 私は大き…

メモ

自らを空虚にすること。無であること=すべてであること=存在すること。 死の重力、忘我、放棄、そして同時に、この奇妙な実在が、またわれわれ自身でもあることの瞬間的認識。 わたしを退けるものが、わたしを惹きつける。 あのはまたわたしでもあるのだ。…