2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

夏風邪をひいて、桃まで苦いです。 前進しながらトンネルを掘っていく、シールド掘進機 という機械が地下鉄の工区 を掘り終わった後、どうやって地上に出すと思う?と昔、機械屋さんに質問されて 「分解して運び出すのではないの?」と尋ねたら 「地上には出…

落ちても香る

ノウゼンカズラ(凌霄花) この花が落ちるのは夏の夜の底 裸足で踏みにじって歩いた と何故か思っています。 その季節に子どもが近づいていくのを不思議なことのように すこしはなれて眺めています。(今日は友人の家でカラオケオール?をするのだそうです。…

song ***

情動はたえまのない音楽のようです。 その音を聴きたいときに理由なんてない。 現実に (響くとき 響けば 響け?) そのときだけは 今 が音のありか になって 記憶されるのは すべて音のありかです。 遠ざかるに連れて、 音のないなだらかな丘も多い。

浅間山の降灰を確認にいきましたが見当たりませんでした。 裏の斜面は百合の群生。 既にある否定や絶望に守られてなにかを言うことに飽きてしまっていて 私が空白に見えるとしたら、それが理由かもしれないと思ったりします。 どの記憶や感情にもその都度新…

空にあるもの

沈黙はきのうの空を重くするばかり 光と青の重さを少しだけ背負ってね。 なんでもない なに者のものでもない 血液を あたえること 凍てつくことで そびえる きみ そびえつづけるがいい なるべくなら 空にある悲惨をはるかなものにする たかさで 帷子耀「スタ…

三島由紀夫の小説にはとても賢い女性が出てきます。 それは絶対にこうはなりたくない というか、このような認識を持って 女だったら生きていけないだろう と(私なら)思うような存在で、 例えば豊饒の海の本多の旧友みたいな女性。 もう一種類、別の女性も…

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絵画に遠近法があらわれたとき、それは絵画のみならず ものの視方 というものに方法をもたらした。 写真が発明されたとき、それは絵画と同様のものとして 眼の文化の支配下に受け入れられ、気付いた者は少なかったが それは実はまったく異なる偏在する見慣れ…

夢と記憶

千と千尋の神隠し を見て 夢の中の万能感の 仕掛けがうまくまわっている と以前書いたことがあります。 あの水に囲まれた地形は夢の地形 カオナシの宴会と追跡の阿鼻叫喚から 追うもの追われるものである中心が共に抜け出て 収束し静まりながら空を映す周辺…

縁側

昨日は知り合いのやっている雑貨屋さんに花を生けにいって 搬入時で手がはなせないので、回覧板をお隣に回してほしいと 頼まれました。 お隣は古い一軒家で、門扉ごしに見たら縁側で洗濯物を畳んでいる人が 見えて 思わず呼び鈴を鳴らす前に、「ごめんくださ…

桔梗 好きな花 そういうところが駄目なんだ とはもう思わなくなった。

メッセージソングというものがとても苦手かもしれない。 (ドラマチックな曲調で、歌や楽器が上手いと特に) 午後、遠くから聞こえる歌を聴きながら仕事をして とてもストレスが溜まりました。 歌っている内容(戦争反対)はよくわかるのに。 音は移動し、横…

眠り

愛は眠りか死の中に生きのこる 夢は夢の中にしか生きられない ということばを読みました。 (西脇順三郎)

ようやく夜に明け渡される この階段の最後の一段にこの前は躓いた。どうして躓いたのだろう気をつけよう と思いながら、吸い寄せられるようにまたそこで躓いてしまう ということをするのが私です。 どういうことなの? 古い友人に会った帰り道でした。 5人仲…

こどもとふたりぶんの帰省(というかお墓参り)の切符を買いに行きました。 たまに ごくたまに 日常に 普通に溶け込むことに あるいは溶け込めないことに とても疲れます。 こんなに鈍いところがあるのに。鈍いからかな。 Green Grass Of Tunnel / Múm Down …

数学者の「その証明は実にエレガントだ。」という台詞は、物語の中だけでは なくて、常套句のように使われている ということを知りました。 混沌から秩序までの端正な道筋への賛美と憧憬 でしょうか。 エレファントな証明 というのもあるそうです。 長々しく…

数学者の吉田耕作氏がある問題に対する助言を求められて 「あなたの話は具体的でわかりにくい。もう少し抽象的に説明して頂けませんか。」 と言った という話を読みました。 見えるもの の不思議 水滴のように夜を伝わって私を通過して落ちていった音が 静か…

時間について

七夕の日は新暦だと梅雨の只中だから、旧暦にしてあげたら いいかもしれません。 雲のはるか上の逢瀬であるし 星の寿命を思えば人の時間である一年はあっという間かもしれないけれど 人が3秒でどれくらい考えることができるか というと この柱(?)の向こう…

のきばの朝

幼稚園バスを待つ子どもたちが ささのはさらさら を歌っています。 ひとりが「のきばってなに?」とうしろの母親に尋ね ひとりが「おきばだよ。自転車おきば!」と大声で かぶせるように言います。 子どもって本当に朝からおもしろい。 小さな夏帽子の並んだ…

去年の今日、何をしていたのだろうと思ったら、初蝉を聴いて、八幡宮で梶の葉の 絵馬を見ていました。 どうして願い事を梶の葉に書くのかわからないけれど、「平家物語」の「祇王」に かくて春過ぎ夏たけぬ。秋の初風吹きぬれば、星合(ほしあい)の空をながめ…

壁崩壊25周年のlight project

昨夜は吉本隆明の講演をネットで聴くことができる としって、眠る前に少しだけきいてみました。 私は「背景の記憶」以外は数冊しか読んだことがないのですが、声を聴いたとたん 全く忘れていた、当時の新聞の高橋源一郎の追悼文が甦ってきました。 生涯にわ…

懇親会の帰り、駅に着いたら電車は二日続きの人身事故で、ホームは人が溢れていました。 舌打ちする人こそいませんでしたが周囲の圧が高まって行くかんじは怖い。 見慣れた勤め人が見知らぬ人の貌になります。(見知らぬ人たちですが) 10時を過ぎて、満員電…

川の本

野川の土手道で井斐に出会った。子供の手をまだ引いていた。子供はいっそうやつれていた。眼に涙のような怯えが溢れた。それにしては無防備に、見も知らぬ人間の顔を見あげた。道はまだ遠いのか、と私はたずねた。いや、もうそろそろだ、と井斐は答えた。そ…