2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

悲しさを人から、場合によっては自分からも守ることが出来なければ 生きる意味などない。驚いてしまうけれど全く意味なんてないと思います。 ここは庭のような場所でした。今も。

041:一生(莢)

置くべき場所にことばを置けばそこからはもう一生の方から流れる

040:跡(莢)

永遠を模してはみたがもう二度と読み返せない風の跡地は

035:因(莢)

石を拾う それが記憶の銀河から星を目覚ます因子のように

036:ふわり(莢)

足先を光の粒にとまらせてふわりふわりとゆく虫はなに?

037:宴(莢)

球体に風なき紐の色とりどり 祝宴は滞りなく続く

038:華(莢)

中華鍋を揺する手を見る 私にはこういうことがうまく出来ない

039:鮭(莢)

紅色の卵と肉を持つ鮭が生まれた川で死ぬということ

031:栗(莢)

花が落ち路上が濡れて栗の実は私の知らない夏を経てくる

032:叩(莢)

花殻も卵も眠り内側の戸を叩き疲れた子も眠る夜

033:連絡(莢)

血を分けたという言葉は時に怖しく業務連絡に近づくメール

034:由(莢)

先生の云う「由々しきこと」の一匙の可笑しさ遠く遠くまで来た

030:噴(莢)

噴水は時折高く陽光をまぶした声が背後にまわる

029:スープ(莢)

影の形に夜は滞まる ほらごらんスープに張ったような月光

028:塗(莢)

街の灯の溶けた夜空が希釈され星に塗れる途中で下りて

026:応(莢)

呼応する鳥 草 風は行き渡る眠る言葉使い達の街に

027:炎(莢)

目を閉じればぬるくて痛く 開ければそこに止まりつつさまよう炎