2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

紙の

an airplane それは かたちから飛び立って とおくはなれたものが そこからもとのかたちへと戻っていく 旅の途中に出会う風のようなものでした その風を頬に受ければ 戻ってもそれはもう違うかたち (世界の果てのほとりは近く声だけが聴こえた遠い夜のことな…

五月闇

そんなふうに笑った そのあと夜が降りてもう轡にも雨ふる季節 春に花を見すぎてしまったから雨の夜の底が深いのかもしれない。

水のある場所

ひととき

ことばひとつ浮かぶ夜を裂き稲妻は掌に乗る白い光となって 色の抜けた暁にむけまだ見えぬ青がひととき風をつかわす 世界の基調の色は見えなくて はんぶんは知らない理由で零れるなにか

半径

都市を迷う月の軌道を暗記する 光よりすこしずれている道 夜の敷布を踏んでいたのが4時半で夜は裏返せないまま明るむ 透明になっていく窓いるだけでもうなにひとついらないのです 仮名のようにおされた鳥の足跡が海に向かって途切れる砂地 夢の中の翳が抜け…

空が

毀れると虹が出るといった人がいるけれど 「虹は空の傷口からの流血なのですね。」 Twitter. It's what's happening. : mさん

雲とねじ花

連綿とつらなるものを浮かべなさい。(但し、さみしさと羊を除く、) 立ち去らずふえていくのは薄い翳と しなくてももう許されること 雲間には青く涙のぬけ落ちたねじ 「このままで通れるでしょうか。」 罪がひとりのもちものなら 夜。 眠らないカナリアのよ…