2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

石は

人の手にとられなければかなりしあわせだと思う

新学期

やっと新学期 最後の3日は恒例の宿題パニック あれとあれを検索して打ち出しておいて欲しいと泣かんばかりに 頼むので、仕方なく自由研究のお手伝い。 この娘は夏中パソコンにはり付きMP3を手放さず情緒的なことばと 音を浴びまくっていたようなので それを…

焼くや藻塩の

ここに着いてまだ海を見ていない 二階の庇の向こうの瓦屋根の連なりの先に神社の松 物干し台にはあおむけの蝉の屍骸 外はこんなに乾いているのに この古い畳が沈み込むような湿気は どこから来たのだろう? 子ども達はすっかりこの地の文法に馴染んでしまっ…

響く音

かなり変なことなのか、それともよくあることなのか ある種の文を読むと音楽のようなものが頭の中で響きます。 音楽ではないんです。 コードやフレーズが変わる瞬間のふっとした感覚みたいなもの。 あることばとあることばのつながりが頭の中の同じ部分を刺…

ケロッグ

この部屋の金魚は一羽と呼びたい立った卵は一棹と 硝子の容器は全て庭に並べて突然の雨に備える 驟雨緑なす苔の惨憺 瀑布虹は不要 筒であったり袋であったりいくばくかの和解と契約によって成り立つ私の乾いた紐で緊く束ねて棚上げした叙情かな(字あまりす…

東雲まで

夜泣きする子を ひとり 隣室に 囲っていて 小さな白いねじ で 何度も この夜を巻き戻している 纏いつく網の目の間から 芽をのばした不機嫌が 周囲を探りながら くりかえし くりかえし 宥められる手を待っているけれど そんな都合のいい邂逅など この世のどこ…

八月の水

変な夢で脱力したせいか 午前中は低調でした 遅い昼食に外にでると 街道は平べったく白い光をはね返し 車が通るたびに じり…と熱せられた風が耳の外側を巻き上がっていきます ふと暖かい水が胸元に落ちて来ました 上を見ると抜けるような晴天です 水を含んで…

夢的構築物

プレハブの会議室のようなところで 何やら熱弁をふるっている夢を見ました。(ありえません) ありえないというのは夢の中でも何となくわかっていて 一体何をそんなに熱く語っているのか もう1人の私が耳をすましています。 どうやら入札か何かについて 画…

夜を歩く

何のへんてつも無い住宅地の 塀の終わりにある のうぜんかずら たくさんの花が 今朝の風雨で地面に落ちている その橙色に 夏の闇の底を 裸足で歩いた記憶が蘇る 柔らかく横たわるものの腹を踏みつけて 声のない産声と 声のない断末魔の悲鳴が交錯するような …

HIROSHIMA

[:450] 内海はのどか 六つの川は干満と共に暗い水をゆっくりと往復させ 市の中心には白い光 海沿いのこのホテルは某VIPが宿泊したらしく窓から見下ろすと 夜通し警備の人の懐中電灯の明かりが見えました。 広島には何度も来ているけれど 8月6日に平和公園…

真昼

:450 はなの木ももみぢの木も今は庭にのしかかる獰猛な黒い緑となる 跳ね返す光 そして影と影と影 竜安寺は改装中でした この石庭は夏が好き

雨中の蝉

八月なのに 冷たい雨が降る 街路樹の蝉は それでも鳴きやまない 昨日の夢を 一日かけて醒ます 非現実を空の彼方に遠ざける 思いがけない近さに 不意にあるエアポケットをなるべく 木々の外側に冷たい雨が降る 柿色をした私の無能が青褪める 昨日無機質な装置…