2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

飲むために汲んだ水1

待降節のころに 思い出すのは とてもふるい記憶 不完全なことば 自分で選択したならそれにともなういっさいを 支えぬくことを いとも簡単にじぶんのかみさまに誓ってしまって (誓いというのはたぶんことばなので) 当時ふつうのことがふつうにできなかった…

空の折り紙

なにかの理由によってあらわれるものがある では どこにも行けないので おそらくあらわれたもの自体がその理由になるような 仮説が要ります それは仮説でいい のではなくて 仮説でなくてはならない あらわれたものが何もしらないまま根拠になるような そんな…

月に立ち

夢に市のたつときあれば人ごみに知らず誰かをさがしてをりぬ 月に立ち星を眺めし人の背のさみしき朝は上書きをいとふ 夜をかけて砂丘に結ぶ水滴の垂直に地下へとつたふいたみは あるといふは不意におそろし見し方に赤く巨きな月のゐたれば されば目を覚まし…

歩くということ

らんぶる・すくらんぶる2 少女の群に神の祝福あれといへばあとずさりする影のいくつか ........................................................................................... 愛 ということばは 学校にも家にもあふれていて とても苦手だった その…

影の扱い

たとえば 日常にあらかじめ顕れているおしまい ねそべっていたり 一気に進行したり 突然牙をむいたりするこれを 一体どうしよう? と思うのだけど 自分も日常的に現在進行形で終わりつつあると思えば 荒廃を恐れるなどということは 見たいものだけを見て暮ら…

木々の扱い

日が落ちて 風が吹いて 枝が鳴ると もう日常に溢れる死など どうでも良くなるほどの さみしさが見えてくる 酩酊とはまるで 正反対の帳

合わせ鏡

断絶という解決に手をかけると 遠いか近いかわからないけれど 滅びるという方角に 流れる音があります くっきりとした音です 真実という名のまやかしかも知れないような 断絶から手を放すというのは ただあるものを根こそぎ受け入れるような 朽ちるものは朽…

かしぐはし

どんな場所からでも架空の線は引ける(かも知れない)と思ったり ひとりで帰っていけると思えたりしたのは 私は私のおしまいをそれでも持っていると思っていた(かった)からです ポケットの中の分銅 こんなものと釣り合うものなどなく モラルにも免罪符にも…

線3

線は問われなければならないし 消えなければならないけれど 全てが消えた後 通過したことを知る その感覚を一瞬でも予感してしまったら こころあてに もとの場所から それでも何度も線を引くでしょう 他のやり方を知らないし 知ったとしてもおそらくできない…

線2

その線を消せば破船も中海も超えてきたりといふ記憶をも

一本の線問はばその影消ゆるまで中海は見えぬ破船を抱く

氷図

瞼裏の3℃もあがれば翳のゆれ眠りにたやすく手ののばさるる立ってゐる座ってゐるよこたはってゐるいたみなど群像の如きに 慣れないことをして知恵熱が出たのかと思っていたら 風邪のようです。 私は単純な個体なので 私に夢の中で 凶の一字を 応挙の氷図を執…