2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

花市2

夜明けの再開発地の 今朝は撤去される瓦礫の山を あなたが意味もなく 訪れることはない 花市をひらきましょう と 誰が言ったのだろう? 蝶の屍骸が日の光に晒され 窓辺で見開く幾多の目のないうちに 萌え出てもあてのない 草花のささやき 一年後は美しいビル…

幻日

鉄条網視線を束ね燃やす道暗示来たりて猶往還す

日記

このブログをはじめるにあたって考えたことは2つあって 一つは 日記なのだから週2回くらいは書けなかろうが何だろうが一行でも書こう ということです。 適当な題がついていますが、一応これは日記です。 http://d.hatena.ne.jp/ta26385/20090522 日記だと思…

乗り物

祝祭は彼方を過ぎる観覧車降り立つ人は遠い目をして

I remember Brownie

KEITH JARRETT TRIO / STILL LIVE 1986 / Keith Jarrett Gary Peacock Jack DeJohnette この曲はトランペッター向きの曲だと思っていたけれど、このKeithのらしくないピアノもいいな と思いました。 とても有名なので誰もがどこかで耳にした曲だと思いますが…

重なる雨

厚い雲と雨を 透過する かすかな ひかり 有刺鉄線の 棘に とどまった 水滴が 遠くの野原を 逆さに うつしている それらは 景色を閉じ込めたまま ゆっくりと落下し 四散するけれど 漂う音すら閉じ込めた 雨脚が 自らのはじける音に 還元してしまう あとから …

母が手を振る

庭というものは 囲い込まれたものだ ここは牡丹が ここは芍薬が 初夏の華やかな重さを記憶して 眠っているところ 都忘れのあった横 もういない人が最後に見た 梅の根本には 秋明菊がばらけている 藤棚は壊されて駐車場になり 紫陽花は芽をつまれた 花の色の…

アイテム

きれいだけれどからっぽの お人形のようなあなた達の門出には 意味の無いものをあげる 子守唄を唄うことに疲れたひとを眠らせるような歌 百合の薫じはじめてから腐すまでの内側の闇となれあう時間 最初に名付けられた名でしか呼ばれることのなかった人形の …

秋から遠ざかる

一日 南風が吹いていた 夜には雨になるらしい なにもすることがなくなってしまったので 川を見に行く 夢の中でいつも 音も無く氾濫して足を濡らす 見えない小川を確認しに 実際の野川は草が刈られて 川面が見えていた 10メートルおきに鷺が 彫像のように立っ…