2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧
風であり声なきものと風であり声あるものの逆巻く野分
一日中雨の降ったあと おびただしい雲の一片を意訳して 秋になりました 鹿を出し入れする窓から 鹿を盗みました だから もうその隔離小屋に 鹿はいません 人の行く大手町 舗道に並んで座って わたしはたぶんこの国で死ぬ人間よ と 自己紹介をする あなたはこ…
混んだ車内のどこかで こどもが声をあげて泣いていて乗り合わせた人がそれを聞いています みんな手元に目を落として ねえこども 泣いている足元だけのこして世界は崩れるねでも すべてが遠のいたあとに睫や蝶の脚くらい軽いものが 頬に触れてすこしだけ欠け…
その風を主語としたのでいまここと告げる声だけ落ちてくる庭
マッチが自家中毒する ゆるく燃えながら 疲労しながら 解消されてしまうかなしみが かなしすぎるかなしみであることを かみさまが憐れんで?
泥のなかには光の粒子 一度として見たことのない過去を手にして ひんやりとして 雲の隙間に大切なものを差し入れて 一夜あけてその位置を観測する 雨音を包み込む草原は また別の雲の隙間に -----------なにかの拍子に雲が切れて全天を覆う コロン 雑踏の中…
one sentence ごとに終局があって 意味もなく近くにある植物に触れました 植物に助けを求めたみたいでした