2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

野分のまたの日は

残りの風が一日中旋回して 隅々まで 傷ついた木々の匂いを振り回している とめどないおしゃべりと笑い声を身につけたのち それを全部失って 口籠もることを身につける おんなのひとになる そんなことがあったかなかったか とうに忘れてしまったけれど 子ども…

薔薇の実

記念写真

6月に二十歳になった子に 振袖着てみたい? とたずねると いちどくらいは というので 箪笥のなかから引っ張り出した着物を 悉皆屋さんに持って行って丈を直し 先日写真を撮りました。 19の時と22の時、2回しか着なかった振袖には あまりいい思い出がなくて(…

戸口

或る人、まだよほど若くて過度へ傾きがちだった頃に、何日もひとり籠って、物もろくに食べずに、黙りこんでいたことがあり、それで静かであったかと言えば、躁がしかった記憶が残ったという。 口は噤みながら内では喋りまくっていたようでもなく、躁がしさは…

おんがくのような

CDショップに寄って帰ってサティを聴いています。 高橋悠治の訳したカフカ(『カフカ 夜の時間』より) 魂を観察するものは、魂のなかに侵入することはできない。たぶんどこか端の方で触れあうところはあるだろう。この接触でわかるのは、魂も自分自身をしら…

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夏にあったことは 家族の不始末(といっては可哀相か?)の話を私がつけた (私は、こういうとき、あまり、滅多に、 人に相談しません。夫が死んでからは特に) それだけのことに過ぎないけれど 過ぎてから時折思うのは たとえば子どもが私の横で なにか危害…

時間が持ち去る物の覚え

ことばに触れないと 聴くことも減ります 夏はよくない季節でした 影が黒々として それ以外のすべてが 光のうちに濁っている 大事だったものさえ 残像のようにしか見えなくなった街を 足を棒のようにして 1日、1日棒にふる 溶けているゴムの端 眠ることばかり…

随分と日が経ってしまいましたが、H市に行きました。(今年三度目です) 来月も七回忌のため、行く予定です。 頻繁に新幹線を利用するので、JRのカードを作りました。 夜行とかチッキとかを知っている身としては、スマホで予約して 通勤電車に乗るように自動…