随分と日が経ってしまいましたが、H市に行きました。(今年三度目です)
来月も七回忌のため、行く予定です。
頻繁に新幹線を利用するので、JRのカードを作りました。
夜行とかチッキとかを知っている身としては、スマホで予約して
通勤電車に乗るように自動改札をタッチし、遠出をする日が来るなんて
夢のようです。



植木を植え替えたり、ぼんやり散歩したりしていると
「なにしよるん?」と近所の人から声がかかります。その言い方が柔らかくて
自分の答える声も、なんとなく尾高型になっていき
私はようやくこの街が好きになっているかもしれない と思います。



私の父はH市と同じ県の島育ちで、祖母の言葉は市内よりもっと
ゆるやかで、まろやかでした。
従兄弟と喧嘩をして隠れて泣いていると、「泣きよるん?」とそっと
尋ねられたことを覚えています。
躾など全然うるさくなかった父が何故か、私たち子どもの関東方言
(落っこちる や、じゃんかぁ ちゃってさぁ など)の矯正にだけは
とても熱心だったのも、柔らかな抑揚に馴染んだ耳には聞くに堪えなかっ
たのかな。
まあ仕方ないな。促音 拗音。



遠くへ行くといつも美しいものを貰ってきてしまって
帰ってきて困惑することが多い。どうしたらいい?
それほど美しいものをくれたことを
遠くはいつも 知らないのです。