2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

024:維(莢)

ストールの繊維はさみしい首のため去年の秋の空気も含む

025:がっかり(莢)

迷惑をかけない錯覚などないとわかった人をがっかりさせて

023:保(莢)

傾いてなお保たれる夕刻の水平などを時折憎む

021:折(莢)

テキストに入れば僅かに折れまがる光は読むか冬の水面を

022:関東(莢)

関東の空しか知らぬ窓に寄り 浮かべる固有名詞のいくつか

019:妹(莢)

父だろうか日々であろうか妹の眠りの水に浮かぶなにかは

020:央(莢)

風と光が別の軌道ですれ違う中央分離帯のススキあたりで

018:援(莢)

人混みを抜けた人から浮かばせる孤立無援の月の写真を (タイムライン)

016:捜(莢)

軒先は声の棲家「捜したよ。」幾千の雨粒に紛れる

017:サービス(莢)

サービスという言葉は少しさびしくて紙に包んで持つ砂糖菓子