2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ぬぐやまつはる

いろとりどり を脱いで 木は空を着る

鎮痛剤がゆっくりと 効いて 頭痛がすこしずつ ほどけていって つめたい朝の 静かさに行き着く なすすべのなさ そのとき 愛を受け容れる函について 考えます 雨の ふりしきる雨のむこうを すかし見るときも 無力な私を内側にぴったりと 抱えているとき 私はや…

紙ふぶき

たとえば 自己愛 について考えるとき、 わたしがわたしであろうとするその限りにおいて 美しいものはみな、他者のなかにある というのは少しも矛盾しないし 超自我を他者に投影してしまうのとも 全くちがうと思っています。 美しいものを外に求めないで、一…

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冬と 冬の石畳みが好きで 悲しいことがあったあとも きらいになることはできなかった 明るい何かを求めるよりは 明かりを灯すこと 暖かい何かを求めるよりは 冬の支度をすること それしかできないから それだけのこと それだけのことを、私にさせてくれる そ…

冬支度

「だからね。行き過ぎた自己抑制や倫理主義は 結社の中だけで完結して 他者を必要としないし、必要とされる筈も ないんだよ。歴史が証明している。」 という大きな声が耳に飛び込んできました 居酒屋の遠い喧騒のなかで ねえそれではあの人たちは?あの十二…

光の足元に

水面のように夜がとどまってどこまでも小さくなって歩いていけそうな気がしました。

truth or dare

冷たい水が夜を流れる速さ のあと 冬空に紙箱がひらいている 紙の手触り 片側車線を 私にもあなたにもいない姉の話が行き過ぎる largo 届かせまいとする ベールのような日の光 その橋の上? 菜の花畑で花から花へと白い蝶が 羽ばたいている無音のにぎやかさ …

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遠く日々佇み顔の可視の鹿不可視の鹿の他見ずただ響く音(回文 のつもり) 記憶に灯した火である秋の右側が今でもほんの少し明るい

秋の右側の火

芭蕉、去来、蕪村、一茶のとてもポピュラーなものだけ入った 俳聖カルタ というものを平泉でこどものお土産に買いました。 秋の句は歌とちがって「さびしき」が入らないからいい。 鹿が秋の季語だと知って、鳴いている動画を探しました。 あんなに高い声で山…

つなぎにふを入れます

今週は風邪引きのせいで、サーモスタットの壊れた機械みたいになり、 とうとう一昨日は休んで一日寝ていました。薬で眠ると根こそぎ奪われる感じがします。 テレビでは「つなぎにふをいれます」といっていました。 ふ とはなにかしら とばかり考えていました…

誰かになる

満席の新幹線に再び揺られているうちに、久しぶりに熱が出ました。 ずっとマスクはしていたけれど、病院で人に伝染していないか心配です。 怪我をした人は麻酔から覚めて、ずっと私の手をはなさずに、 何かを訴え続けていました。 認知症を患っているので、…