2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の裾を踏めば草の香遠い日に回転扉をくぐった記憶

Songs Without Words

Tango "Songs Without Words" (2001) Nonesuch この人のピアノを好きになる人はただ好きというのではなくて、大好きになって しまうだろうな というピアニストがいます。 ある音の流れが聴こえているときは ある流れは聴こえていない 今 を立てたときに その…

上空は

仕事帰りに娘を新幹線に乗せました。表示板の小倉を「おぐら」と読む中学生に 「大丈夫?しっかりしてね。寝過ごさないこと。」などと言いましたが、帰りの 乗車券を「これを失くしたら大変」と何度も確認しては仕舞いこんでいる娘は乗 り込むまで上の空でし…

台風

風雨は瞼を逸れて夏草に残されている窪みの静か

揺らすと音がする昨日

Richie Beirach Sunday Song 1992 "Themes and Impromptu Variations. " EAU 台風の進路は気になりますが 日曜日 のような 月曜日

空を聴くようになる

稲村 ことばには、派手すぎる躓き方をした記憶が付きまとっています。 父が死んだとき、どうして今なら 日記なら 虚空に流すようにしてなら書けると 思ったのかとても不思議。 dal segno senza fine これだけやっても暮れのこるものは、もうおしまいまで持っ…

梅雨明け

未明のみずたまりをながめる 一つだけの街灯に 一晩 羽のあるものたちが舞い終わり ここに いくつかの命が結晶する (はずはないのに) 陶器のような貝殻のようなものが ゆるやかに分割しながら 流れる雲にまじって 揺れているのを ながめていると そこだけ…

明け方に

夢を見ました 街灯のない夜のどこかで 男の子(幼い頃の息子の友だち?)を家まで送っていく という夢 こっちの方角でいいの? と尋ねると どこからでも帰れる と小さな胸を張る そんな筈はないでしょう? ここは私がつくった地図なのだから 声明や数唱の流…

Blanca 

夕立 開きぐせの頁を雨に打たせれば あふるるまでの余白の水位 白昼 枇杷ひとつ転がりきたるよもつ坂白き無を抱く鶏は目を上ぐ 遠雷 闇になほしろき光のひらかるるせつなはつねに無音のひかり 蚕/貝 白絹や真珠のひかり密にしてくぐもるものの残骸の内 眠ル…