上空は



仕事帰りに娘を新幹線に乗せました。表示板の小倉を「おぐら」と読む中学生に
「大丈夫?しっかりしてね。寝過ごさないこと。」などと言いましたが、帰りの
乗車券を「これを失くしたら大変」と何度も確認しては仕舞いこんでいる娘は乗
り込むまで上の空でした。
その足で実家に行って数ヶ月ぶりにワインを一杯飲んだら急に眠くなって二階に
上がって半日も眠ってしまい、呆然としているところに全く似た台詞を母から言
われています。



帰ることと同じくらい ときにはすべては帰らないことも大切。
あの子はあとどれくらい私のところに帰ってくるかな?



台風後 高所のような涼しさが数日続いて 非在と不在が入り混じったような
ときに見た夢の鳥籠はなつかしい色を見るためのもののようでした。



屋上は途切れたる場所一斉に空を透かせて揺れる鳥籠