2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

暁の

あかつきの空の底は 途中まで歩けます おもい瞼をおいて 足だけが先にでかけてしまって 行きついた突堤にうずくまって 下からの声のない泣き声の反響に 耳をすましている 雲がめばえはじめるまでに追いつけば においのない花々 ゆるされてばかりいたことを …

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娘の年齢だけ住んでいるこのまちも ほとんど知りません 通過される街になって通過するものになっていると おおくのものに囲まれていても ひとと世界とを結んでいるのはほんの僅かなもののような 気がしてきます 大切な鳥を預かっておきながら死なせてしまっ…

つきひ

ふるあめにこまかくあわくつつまれてうかぶわたしのいなかったまち

かなたまで

六月の距離のすべてに溶けている

夜の場所から

痛いことには耐えられる気がするけれど 許されることには耐えられないかもしれない そこなうことは耐えられない 狡いから かなしい ということは どこか 自分も世界も許しているようなところがあります ときおり長針と短針がかさなるように さみしい が さみ…

水無月