2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

一体なぜ? と思うほど、怖い夢を見て、 目が覚めたら痺れるほど固く左手を握っていました。 ベランダに出たら、朝の空気は冷たい絹のようで とりあえずあんな夢の中でよくやった。私 と健闘を称えたくなりました。 意味が通らない陰惨 って私のどこからきた…

巻貝だけでなく二枚貝やその他の貝もきわめてゆるい螺旋を描いていると知ってから、なんとなく 目に付いた貝を一つ二つ拾って帰るようになりました。(すべて相模湾で拾ったものです) タカラガイは、アフリカ諸国では何世紀にも渡って貨幣(貝貨)として用…

以前、子どもに読まれても少しもかまわない と書いたことで ちょっと思いがけない指摘を受けましたが、これはあくまで私と子ども 私とネットの関係の ことでそれが正しいともそうすべきだとも全く思ってはいません。 ここでも大真面目であまり役に立たないこ…

この場所、この距離、この角度から見た世界だけが美しい通り道に見える というのは病んでいるのかな。 そのときぎりぎりでかろうじて成立するものの中で、世界は断片で私も欠片の ひとつです。永遠はそこにしかないとどこかで思っているので、おそらくそれを…

グロテスクについて

皇帝ネロがローマの大火(ネロの仕業という説もある)のあとに建設した黄金を張り詰めたと いわれる宮殿、ドムス・アウレア(黄金の家)は、皇帝の死後、火災にあい、その敷地は公共 建築に転用され、消滅したが、15世紀の末に丘陵よりトンネルを掘って内部…

浅瀬

まん中だけが流れてあとは静かな川がありました その浅瀬を こどもが一人歩いていました その膝から下は冷たいのか 視線は岸辺にありましたが もちろんこどもなどいませんでした わたしたちは平坦なことばにも耐える必要がある どうしてあたりまえなのかわか…

ひとがある部分(絶望であったり悲しさであったり)を自己表出の場に決して 連れ出さないのは、連れ出したら最後、他人のことばや物語の餌食になってしまう というのもあるかもしれないけれど、再び自分自身の中におさめておくにも説明 が必要になってしまっ…

座礁した船がたくさん放置されている入り江を持っている気がするときが あります。 ひとつひとつの船には見覚えがあるのですが、なにしろ座礁しているし 増えるたびに難しくなるし。 目が覚めるとまた一艘増えている と思うと、入り江ごと捨ててしまいたくな…

手すさびに折れば匂へる蕗の香のかなしかりけり折れば匂へる 紀野 恵 上の句を序詞のように通り過ぎて、立ち上がる「かなしかりけり」というカ行に出会い 再びの繰り返しによって最初に立ち戻る。 古来から和のもの、食するものであった身近で控えめな蕗とい…

紙箱の

なかに街をつくる 軽くて整然とした小さな街を その街の中の一つの家で眠り 子どもと犬にごはんを作る そこから話すことばを探す 花を生けて 頬杖をついて 箱の中でひとを愛する という 説明できるものに愛をあてはめて 花はちいさな世界の破れ目で いまにも…

浜大根 由比ヶ浜

不思議な気がします。 紛れて消えてしまわないために文字にして残す、そのためにあったものも いつかどこかに紛れていくのは。 読めない活字の入った箱は、高いところに仕舞っておきたい。 点が打たれたとき、どこかにもうひとつ点が現れるのを待って、 そこ…

使われない字

もう全然見なくなりましたが、新入社員の頃、私の会社は稟議書や金額の大きい見積書などは 和文タイプライターを使っていました。一つ一つ文字盤から文字を見つけて合わせてガシャン と打つやつ。最初はガシャンからガシャンまで1分以上かかることもざらでし…

「こういうの好きでしょ。」と勧められて、音相システム研究所で機械と人間の対話を 研究しているひとの本を読みました。 小説や歌のことばの音相のみならず、何故か好きな男性や息子さんの惚気 のような会話が たくさんある不思議な本でした。 筆者は、対話…

思い出

にするときは、震災や身近な人の死とは独立したものとして それを持つことを許されたい。そのときここは消してしまうと思うけれど ここと、消した場所での出来事として思い出すでしょう。 当たり前ですがだれにも言わずに。 もう更新されないものになっては…

空に与える誤差

読めたらいい と思うものほど困難なのは わかってしまう ということへの禁忌が 自分への疑いと共に どこかにあるから。 それを書いた人が引き受けてくれたものは 読みやすいのです。長谷川龍生とか。 (読みやすい というのも違う気がするけれど ことばが見…

内と外

どれほど近くても、ことばが呼びかけるには、圏外を経由する。 共同体を通って圏外に出てまた共同体を通って戻ってくるような。 その速度と距離が語ることの広さと深さなのかも。 読めたらな と思うことが たくさんあります。 ことばにつまずくのは自分につ…

携帯の圏外のような場所かな ここは。 無口な主人ととても賑やかな奥さん という ご夫婦をたまに見かけると、このご主人は無口 だけど賑やかなひとなのだ と私は思います。 その逆はなぜか思わない。いけないところです。 うるささ というのは声の大小ではな…

眠りの石

今日は仕事で大勢の人に会いました。 大変疲れてしまったのですが、帰りに以前から気になっていたお店に寄って うまれてはじめて自分に装身具を買いました。 煙水晶と銀でできた指輪です。高価なものではないけれど身に着けると とても落ち着きます。きらき…

展示会に飾られていた手の写真が素晴らしかったです。 石と銀の装身具の画像|エキサイトブログ (blog) 女の手 具象そのもの だけど どこからのびている手なのだろう? と思った瞬間 すべてが曖昧になる かんじ 発表会でこどもはショパンを弾きました。 冒頭…

あたらしいたましい あたらし いたましい? □□□(クチロロ)

春の嵐

強風で、桜も少し木に戻っているだろうし 開ければどこまでも続く闇だった扉は 静かな場所に隠れている たとえばお伽話の書架の裏あたりに

「忘れる」も「忘れない」も意志のしたでは苦しい。 驚くほど忘れていくし、驚くほど思い出すから。 例えば私の指はピアノを全く忘れていますが、曲を聴くと 記憶の扉が開いています。頼んでもいないのに。 大事なのは「今、何を忘れているか」かもしれない…

塩野

あまり話す方ではないせいか、どうも職場の人や古い知人は見当違いに私のことを 買い被っているようなところがあって、それをいいことにちゃっかりとそれに乗って 世渡りをしてきたようなところが私にはあります。 だから、たまに自分を振り返ると自己嫌悪の…

かなしさはそこかしこにあるけれど、悲劇は人の中にだけある。 一度目は悲劇として二度目は というけれど、どんな悲劇もそれ自体が喜劇に書き換えられうる そこがかなしさとちがう けれど 人のすることって結局はかなしい。 悲しみの種をばら撒いて、半分も…