グロテスクについて


皇帝ネロがローマの大火(ネロの仕業という説もある)のあとに建設した黄金を張り詰めたと
いわれる宮殿、ドムス・アウレア(黄金の家)は、皇帝の死後、火災にあい、その敷地は公共
建築に転用され、消滅したが、15世紀の末に丘陵よりトンネルを掘って内部に侵入する試みが
始まり1490年代には、画家たちが地下歩廊から各部屋の装飾を見学するようになった。
 そこには人、動物、植物などをモチーフとした装飾壁面が施されており、人から植物へ、
さらには魚、動物へと連続して変化する奇妙な模様が見られた。盛期ルネサンスの16世紀に、
ラファエロがその模様をバチカン宮殿回廊の内装に取り入れ、これが「地中 = 洞窟 (grotto 
グロッタ) で発見された古代美術」から「グロテスク装飾」と呼ばれるようになった。 
                             (Wikipedia 日英)



ネロの宮殿の装飾からルネッサンスの画家たちが復活させ、16世紀には「画家たちの夢想
(ソーニ・デイ・ピツトーリ)」と呼ばれた植物に動物が囚われている、溶け込んでいる
模様が、グロテスクということばの起源であることを今日は知りました。
グロッタを見に行った画家たちは、その動物の入った模様の美しさ、新鮮さ、洗練されて
いることにとても驚いたといいます。

ここで唐草のネットワークの上に新しい表現の領域がひらけてきたのである。唐草という地紋はいわば無人称の空間である。アラベスクの芸術家はそこに満足してきた。しかし個性の時代であるルネッサンスの芸術家は、無人称である装飾空間にも個性をもちこもうとする。唐草になにをつけ加えるかによって、その芸術家の個性があらわれてくるのだ。アラベスクとグロテスクを分けるのはまさにこの点においてなのである。    装飾空間論  海野弘


緻密になる前のシンプルで風通しのいいグロテスク。(言い方に違和感…)

                                                
崩落したりして、一般公開されていなかったのですが、去年期間限定公開のもののようです。

ローマの「ネロ皇帝の黄金宮殿」、地下遺構の天井が崩落 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News




昨日は、父親の法事に着て行く服を探すため、青山まで行ってお店めぐりをしたら、
案の定頭が痛くなり、やっとひところのワイズのようなすとんとしたワンピースを
手にとってレジに持っていったら予算の3倍くらいで驚いたのですが、もうどうでも
良くなって買って帰りました。
法事には少しラフすぎるデザインなので、また何か言われるかも知れませんが、
休日ぐらい着たいものを着てやりたいことをやろうと思いました。
なんとか染め(説明を聞いていなかったけれど、藍と何かの木の煤?)は経年で馴染
むらしいので老婆になるまでこれを着倒してやろうと思います。