2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ゾラの「ナナ」3

娘が昨日から登校し、我家のインフル騒ぎとそれに関連したり関連しなかったあれやこれやも一応平常運転に戻りそうな気配です。 一応これは日記なので、戻るたびにだんだん平常が傾いでいっているような気がする…と書いておこう。忘れないように。 私はストレ…

ゾラの「ナナ」2

「世の中には面白いことを書く人がいるんだね。でもどうやって探したらいいんだろ?」 息子や娘を見ていると、いくらネットが発達しても自分が面白いと思うものをどう探したらいいかという問いはなくならないんじゃないかと思います。 私だって今でも密かに…

ゾラの「ナナ」1

中学に入って通学時間が長くなり、何の本を読んだらいいのだろうと思っていたところ、 まず父から薦められたのは 堀辰雄の「風立ちぬ」でした。 (以下、12才時の印象のままに書きます。相当間違っていると思います。) 何だかこの女性は「私」の文学的趣味…

好日

不安のない朝は 入り組んだ日常の壁をすりぬけ きょうも易々と 背景と和解する こんにちは こんにちは守衛さん 今ひとたびの9時間拘束 私に確実な時間を 今日もありがとう さようなら 守衛さん この明るいフロアは どこまで行っても海すらない 管理された島…

ふわひゃら

以前、女友達と話していて何故か声の印象の話題になったことがあります。 彼女が言うには私の声は「ふわふわひゃらひゃら」しているのだそうです。 がっかり。 思い当たることはあって私には妹がいますが彼女の話し方は確かに 「ふわふわひゃらひゃら」と言…

空を飛ぶもの

郊外の造成地を歩いている高圧線と鉄塔と鉄塔の一歩と次の一歩の回想と自分のことばとことばの間のなだらかな連続性病むと言うことはこれが失われるということだろうねと私は傍らの犬に言ってみたりしたけれど果たしてそうでしょうか水際の高い草の延長の空…

石は 2

(ギターを弾く娘に) スープに張った膜のような 月の光が静まれば 夜はどこからどこへ流れていくのだろう? 遠くの草原で 虫が鳴いてるね もつれた影は角を曲がって 行ってしまったね かなしくもないのに かなしいうたばかりしってしまったあなたの アルペ…

お月見

叙情に復讐するには叙情を持ってせよってことかしら 消耗戦のような

鳥は

この平穏は 恐怖が支えている 鳥の来ない朝の川を いつも見ている いつもの場所に電車がさしかかり ほんの少し胸が騒ぐ 毎日訪れるほんの少しの不安 ほんの少しの現実 投げやりな愛 鳥の羽音の幻聴 「4日前、死の位置が曖昧で 私はもう少しで向こう側に 転び…

吹くからに

九月が近くなると 老いて平たくなった夏空の奥に 風の通り道が現れて いつの間にか開け放たれた窓の 端から端まで雲が行くのが見える この緩い結び目を解いたら 凧のように流れるのだろうか はらりと地面に堕ちるだけなのだろうか こんなに暢気に 空を見上げ…