氷図


瞼裏の3℃もあがれば翳のゆれ眠りにたやすく手ののばさるる

立ってゐる座ってゐるよこたはってゐるいたみなど群像の如きに




慣れないことをして知恵熱が出たのかと思っていたら
風邪のようです。
私は単純な個体なので
私に夢の中で
凶の一字を
応挙の氷図を執拗になぞらせたりする


忘れさせたがる


亀裂ではない
架空の一本の線を
水平に引かなければ
越境ひとつかなわないこと
そして
そののちに
かならず
問われる
一本の線