紙の

an airplane



それは
かたちから飛び立って
とおくはなれたものが
そこからもとのかたちへと戻っていく
旅の途中に出会う風のようなものでした


その風を頬に受ければ
戻ってもそれはもう違うかたち





(世界の果てのほとりは近く声だけが聴こえた遠い夜のことなど)




些細なもの たとえば放たれたときの手の感触などは
戻る前に意味によって滅ぼされてしまう
戻れたら 悲しめたなら それは思い出です