雨鳥


一昨日は、駅まで帰ったところで激しい雷雨に捉まって、傘は持っていたけれど雨宿り
をしました。階段はそんな大人たちでいっぱいでした。屋根を激しく打つ音と、時折下
から風に乗ってくる飛沫と。
電車が着いて、傘を持たない小学生の男の子が二人、降りてきました。「すげえ。」
顔を見合わせた後、「せーの!」で飛び出して行って、激しい雨足の中、あっという間
に見えなくなりました。


 雨を降らせたいとき、中国の農民たちは ― 竜のほかに― 商羊という鳥を意のままに操る。これは足が一本しかない。かなり昔、子供たちが片足で跳びはねながら眉をしかめ、繰り返してこう唱えた。「雷鳴るぞ、雨降るぞ、商羊またまたやってきた!」言い伝えによると、この鳥は嘴で川の水を吸み、それを雨にして渇いた田畑に吹きかけた。       『幻獣辞典』ボルヘス



私も雨鳥を見たことがあります。雨季ではなく、もう死んでいて、片足ではなかった
けれど。


2011-01-05 - 水のない場所