語り と 物語

語る人 その物語は もうあなたのものになっているのですか?
と ききたくなるときがあります
語られるときは終わっている あなたの手の中にある



物語は物語のなかで閉じて 語られ
次の瞬間には語る人をはなれ
開かれるのを待つものになる 物語 それ自体のために



たくさんの閉じた箱



もし人生が物語なら
登場人物の配置は最後にならないとわからないでしょう
自分にとっての重要人物はわかっていても それでも


自分がだれかの物語に果たした役割は
知らないまま行った 
後姿を人が記憶するのはそういうときでしょう