内部の出来事


夢のなかでことばに触れることはない
それは奇妙な程



それでも(だからこそ?)これは
半透明のことばの欠片で
できている と思う



音のない ことばで
絶えず組み立てられかけては
放棄されていく
その繰り返しの合間を歩いて行くと



不意に エピソードがやってきている 
いつからはじまったのかわからないその中にいることに気付く
それは明らかにわたしのことばではないものを中心として
すべての音のないことばたちがそれに従い
構成要素を変えながら 作っていく 動いていく 先へ  



痛みに似た核を挿入し、それを取り巻いて
真珠をつくっていく 
貝の内部の出来事を
ひろく薄めて早送りしているような



そこが中心なのかと 思ったときには
もう破綻に行き着いている
形作られた筈のものは跡形もなく過ぎ去って
押し出されたわたしも
一つの剰余の欠片
そしてそれはことばですらない いつも