山手線の駅から放射状にのびる私鉄の一つに乗って
西にある部屋に帰ります
山手通り 環七 環八通り 
きれぎれの同心円の外側へ抜けるたびにビルは消えていき
崖線を越えて一段低くなって 野川
そのあたりから夕暮れが急ぎはじめて 
多摩川の鉄橋を渡り
丘陵地の合間を抜けていく頃には薄墨色 都市のそと 虫の声




螺旋とは失敗した円なのか と思っただけで
何故かとても気落ちしてしまって
消しゴムとか珪化木とか
よくわからないものに同化してしまいがちです。
夏が苦手なのは、触っていないのに終わりがとても
さみしいからかも。