江の島 山ふたつ ベンチで妹を待つ間、「俺たち2年生」という地元っ子と、 今、何が食べたいか競争みたいになって 『かき氷にカルピスかける』でおおっと言われ、 『ポカリを氷にしたかき氷に西瓜を切って刺す』 で、更にリスペクトされました。(暑いですね…

玄関を開けただけでわかる と娘はいいました。 深夜、水をあげる音が聞こえる(気がする) 切られても 全て咲き終えるまで 内側の 祭事はつづく 浮かび出しそうなものを、固く輪郭が閉ざして かおる 犬が上向いて くびをかしげている すがたとちがう香りは …

鳥のことなど

初蝉は聴きましたが、今年は遂に一度も夜鳴く鳥の声を聴きませんでした。 このクロウタドリは公民権運動のことだそうです。 騒がしい地上を平定するために天から遣わされた天若日子は、 地上の大国主命の娘、下照比売と結婚して8年間報告をしなかった。 その…

友人二人(姉妹なのですか?と尋ねられたことがあります) と 岩手に行ってきました。 なんだか体力が低下していて、ついていけるかな と心配だったのですが 三食ちゃんと食べて、飲んで、久しぶりにたくさん歩いてきました。 昔から、きっかけがないと一人…

端的なこと

水無月の山と青田 いちめんのみどり のなかに ぽつりぽつりと ・・・の土地はこうだった ・・・の家はこうだった どこにでもあったかも知れない ものがたり 自己劇化とはちがうルートの ものがたりが ひとの口の端にのぼる じぶんが含まれてしまえば とたんに陳腐…

遠野に行きました。 オシラサマ 五百羅漢 卯子酉様

水の月

流しや洗濯で 手をなでていく水のつめたさが 心地よくなって お酒よりも珈琲よりも 水がおいしい この月の間だけ 健やかでも自然でもなく 味覚から遠くなります 表面張力を破って 瑕疵をひとつ 見繕いつつ まろやかな 口語の縁を下る その縁に口をつけて ふ…

辛夷 土筆 オオイヌノフグリ ホトケノザ 菫 桜 カラスノエンドウ ハコベ ホウコグサ ナズナ ナガミヒナゲシ タビラコ ハルノノゲシ ハナミズキ ジシバリ キツネアザミ 木香茨 シロツメクサ スズメノテッポウ 桐 ヘビイチゴ ドクダミ ホタルブクロ 紫陽花 こ…

谷中

Sésame, ouvre-toi

ことばは音のように沈黙しないことが きっとわかってしまう 沈黙について 静寂について どれだけ語ることができても 語ることの中に 静寂はありません (私の知っていることばの世界では) 歌謡から音を落として うた になったとき 呪術師は消え去りました …

相聞

きく (聞く聴く)というのは 受身でなく ひとつひとつの音に どれだけ自分を開けるか かも知れません きこえ というのは落ちてきた音で 自分のなかの 開かれた領域を知ること 古い古い歌集をぱらぱらとひらく よろずのことの葉 肝心の場所はいつも秘密 葉群…

連休は犬の散歩以外は殆ど外に行きませんでした。 子どもがあまり家にいなくて、食材を買いに行く必要が なかったせいもあります。 風が強い日が多かったの? ベランダの鉢植えは毎日渇きました。 たくさん眠って たくさん起きていて 読むことは少しだけ。 …

新美 ミュシャ スラブ叙事詩 4月のはじめに行きました。

どの言葉にも私がいる と書くとき 何も書かれていないキャンバスがナイフで切り裂かれたみたいに 傷がつく (というか傷つけられたようになる) そのとき傷つくのは 言葉ではなくて私です (自分で書いたにもかかわらず) どうしてなのかな なにかを予測して…

父の命日に墓参りに行きました。 この日記も、9年目に入ることになります。 自分の日記を読み返しても そこにあるものは 既にすみずみまで鮮明で なつかしさだけが足りない とおもいました。 20代のある時期に、それまでの日記を手紙などとともに 焼却したこ…

代休を1日とりました。 ヤモリの子 公園の主 山葵の花 眠って過ごします。

なにがきこえているの?

ことばにとても躓いてしまった後、今にして思えば役に立ってくれた と思う本たち。 私のような馬鹿はそうそういないと思うけれど、参考に。 「アインシュタインの夢」 アラン・ライトマン 物理学者であるライトマンの描いた、相対性理論完成間近のアインシュ…

新入社員の研修で遠くの街まで通う毎日でした。 隣の部署の女性と一緒に仕事をして、とても助けて貰ったのですが、研修終了と共に 彼女は支店に異動になり、今日の解散式が最後の仕事でした。 「お世話になりました。」と言われて、次の仕事の話などして、 …

なにを読んでいるの?

「砂漠の町とサフラン酒」 小川未明 / 絵 山福朱実 架空社 テキストだけで読んでいた時は、妖しくうつくしい砂漠の町を作り出した 女の悲しさ のように読んでいた気がします。 絵はどれも3色以内の木版画、強くて大胆な構図。 個人のふるさとや若さを吸い取…

しずかな内海も美しいけれど 砂と汐で服がざらついて 髪の毛がぼさぼさになる そとうみが親しいです 「さっきなんて言ったの?」「あー忘れた。」 (あるよね。) 波風のおとばかりで (さきほどの 自分さえ。) ゆるくなった指輪をどこかに落としたようです…

どの庭も春でした。

夢に書かれた地名

不眠の続いたあとに、突然ことんと眠ってしまって 乗り物に乗る夢を見ました。 角筈 という地名がありました。 今は残っていない地名 角筈を通る都電はたぶん見たことがある。 乗ったこともあるかもしれない。 都電新宿線 路線図 - 鉄道歴史地図 ほどけてい…

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花がついてる と髪に手をのばしました 細く開けていた窓からも 桜の花びらが降りこんでくる 千の氷の粒に身構える季節からほどかれて せめて誠実でありたい という 自分本位の願いのなかに 語らずにいられない欲望と 決して語らない倫理が拮抗する そんな余…

「したがって、こういえるだろうと思うんです。わたし自身の歴史的位置というのは、 前衛の中の後衛だ、と。前衛であるということは、何が死んだのかを知っていると いうことです。後衛であるということは、死んだものをなお愛しているということです。 わた…

4月

毎年、4月の最初の土曜日に昔、勤めていた会社の同窓会?があります。 高齢の方が多いので人数が少なくなり、ここ数年は30人をきりました。 外濠の桜が4月の第1土曜日を、通り過ぎているときと手前のときがあって 今年は三分咲きでした。 思ったことをことば…

夜のスケッチ

ひとつ 自分の中に小さな像を結ぶと 現実と信じた場所にひとつ そのかたちの穴があく その空白を またたく間に夜がならして 永遠はいつもそんな風につくり出されて わたしたちが夜 と呼ぶ場所 表明しなければいきていけない病が 蔓延するスクリーンに 人工の…

辛夷

母の入退院に付き添ったり、退院後の料理を作りおきしたり 仕事で遠出をしたり と慌しい中、下のこどもと以前から 約束していた「題名のよくわからない単館上映の怖いストーカー 映画」を「何故私と?」と言いながら見に行く筈だった のですが、半年振りの上…

無題

氷の粒でできた 破線を指でなぞっていたら いつしか 水の中を風が吹き始め 4×7=28 霧のように漂う雨 行き来する雨 人はまばらで ふと傘を 閉じたり ひらいたり すこし暗い 明大前から笹塚 笹塚から幡ヶ谷まで 座席に凭たれたまま 駅ごとに目をあげて チェロ…