新入社員の研修で遠くの街まで通う毎日でした。
隣の部署の女性と一緒に仕事をして、とても助けて貰ったのですが、研修終了と共に
彼女は支店に異動になり、今日の解散式が最後の仕事でした。
「お世話になりました。」と言われて、次の仕事の話などして、
「どこに行っても大丈夫よ。あなたみたいに繊細で細やかで優秀な人いないもの。」
と本当のことを言ったら泣かれてしまい、何故か私まで貰い泣きをしてしまってお互い
照れくさくて笑って別れました。
隣の部署では、実力派おかあさん みたいな渾名を付けられていたみたいで
上司に一言いってやろうと思ったりしました。



部屋の整理をした際出てきた、若いころの知り合い達の演奏している写真
(当時。職場で写真の講習に通う機会があって、嬉しくて周囲を撮りまくり
お風呂場で現像した下手糞でほとんど黒歴史な写真)を友人を通して渡して
もらったのですが、みんな泣いて喜んで、いまから朝まで飲み明かす 
と電話がありました。



うばはれて不叶 いつもうばはれるのは
ことばになる前の 気配にもみたないなにかですが



まだきちんと影を飼いならしていない春は
偶然に偶然が応えると
押されていくらでも涙が出てきそうな気配です。



この気配に乗じて
ある人がいなくなれば
決して均せない穴が
たくさんの夜にあく ということを
言っておきたい