2015-01-01から1年間の記事一覧

秋へとおりる

足は降りていく 目は風景を見ていて 内側と外側で起こることの 性質のちがい 中心にはなにもない? ふたたび色彩に包まれていきながら それはもう行きとは別の風景になって 流れていきます もうそれをとどめておく余裕がない 時折、なにかが飛来して 一瞬止…

sight seeing

抱返り渓谷 田沢湖

冬まであがって

またおりてくると 少しだけ世界がずれている。 鈴をつけてダケカンバやブナの林を歩きました。

懐かしさ ということ

帰りの電車で幼稚園か小学校一年生くらいの女の子が「なつかしい。」と呟いていて こんなに小さくても懐かしさを感じるのか と驚きました。 私がはじめて懐かしさを感じたのはずっと後だったと思います。 小学校の6年生の2月か3月ごろだったかな。 はるこち…

水切り

映るのは空 その二層の静けさの合間を切ってもう跳ねていく

白夜

忘却とは失った記憶に仕えること ことばの残余は声を持たずにただ行くばかり だけど 航空会社のストライキに逢って 白夜の街で一昼夜過ごしたことがあります。 夜10時を過ぎてもほの明るい街に人影はなく 昼も夜も溶けているような街でした。 ほんの僅かなお…

良い天気で街路はピンクやレモンイエローなどの 鮮やかなシャツを着た老若男女で溢れていた。 皆、嬉しそうで、今日は仮装をするお祭りの日 なのかもしれないと思う。(仮装ではないけれど) かつての担任か、上司であるらしい年恰好の、 見知らぬ知り合いと…

空から

いつか空から大きな握りこぶしがあらわれて、とんとんと5回叩いて街を粉々にしてしまう という予言の日を市民が切なく待ち焦がれていて、それが市の紋章の由来 というお話を 読みました。 (カフカ 『市の紋章』) はじまりの0のように透明な空。 冷静にな…

ツルウメモドキ 赤い実を見ると小学校の遠足を思い出します。 いつも高いところにあった実。 無花果の適当なケーキ(明日、母に会うため) 季節の変わり目は、珍しく横になっていることが多くて 犬に見守られていましたが、見るたびに犬はおかしい。 歌のか…

この都市の地表のすべてに秋を置く落ち合う場所を知らずに風は

昨日は長靴を履いて仕事に行って、ロッカーの前に揃えたまま忘れてきました。 眠っていたのかも。今気がつきました。 暑さに弱り、湿度に弱る虫のような気分です。 あと二週間も過ぎればこざっぱりとした秋になり 日向に小さな虫の死骸が散らばっている そん…

線は点の連なり 面も

雨音の海を漂う この面に無音の線でなにを描こうか 意味じゃなくて、テクスチャーみたいなもの 音色のような、とても些細な (無音で音色?) うまく言えないけれど、それがないと すべてがコンクリートみたいに 固まってしまう気がしました。

日暮らし

会津塗(福島) 出西焼(出雲)小石原焼(福岡)益子焼 とか どこかに出かけたとき、なんとなく考え事のあるときにふと眼に留まった 日用品を買う癖があります。 食器は貰い物が山ほどあって増やす必要はないのに。 思い出のあるものも作家ものも普段に使い…

韮の花 はじめて見る顔

夜の総称は夜

遠い草はらで虫がないているね。 あれは月の光が静まったあと 得体のしれない人のことばにも耳をすましてくれる人 のいる夜でした。 私は(人は?)ことばで世界をつかんでいるのではなく いま触れているものが世界であると 自分に知らせるために ことばを必…

さらさらと細かい雨が木々に落ちていく先で 記憶の風景が層を成している ではこの道は? 霧のような雨の小道を通って 秋まで歩いていった 自分の後姿を見たことがある そんな筈はない記憶をいくつも重ねています その動詞は余白のなかからやってくる 必要で…

遠景

インフレをおこしたものたちは読み過ごされるように過ぎて 最後に小さく点滅していたものが終わる

箱に入った桃を、ひとり一日一個のノルマで食べ続け、 毎朝桃でお腹を一杯にしています。 江國香織みたいに、私の身体は良いもので出来ている と 自己愛全開で言ってみたい気もするけれど、 果物を与えられて育った、フルーツポークとかいう豚が 頭をよぎる…

記憶以外は揮発していく白昼に蝉の木陰を経てたどり着く (見つからないことの方が多い)

蝉の声が作った木のかたちから出て 次の木のかたちまで 舗道は白い光に車の振動と微かな埃と遠くの校庭か ら響く野球の音がまざる 夏が立ち止まるときがあった 釘のようなことばがあってそこに記憶がひっかかっている .....................................…

自然のリズムを聴き分ける耳と 声帯を震わせて高低差のある音を出す喉を持っていて その音が声になってその他の音と別れた時が はじまりなのかな。 わたしの声でことばを覚えたこどもがふたり いるという ことを 不思議に思います。 たまたまそばにいただけ…

夜の虹

音楽は常に調性の支配下にあるけれど それに身を委ねているうちに 認識の外に連れ出されて ここはどこだろう と呆然とすることがあります 小石が流れに沈んだような 何からも切り離された静かな暗黒で、音ははるか上を 流れていきます 陶酔ではないの 陶酔と…

お盆なので一本だけ百合を生けたらたくさんひらいて香りだし 窓から捨てたくなっています。過剰すぎて

Satie

渋谷で「エリック・サティとその時代展」 を見てきました。 さり気なくて素っ気無い。美学とは異なるほうに流れていく音たち。 サティは楽譜に詩のようなものを書きますが、楽譜に書かれたことば (語り というか人語と呼びたい気がします。)は音がそれをか…

匂いで虹のありかがわかる性癖を恥ずべきものとして持つひとがいる 虹の消えた空からかつて虹を見た空まで挟むながい間奏

彼女は彼と花火を見に行く

彼女もいつかだれかの帯を結んでやりながら思い出したりするのかな。 「火は白い雨みたいだった。」

心の中にすこしだけ外気より低い温度のプリズムの集積場があって、そこを通して見ることでしか自分を統合することすらできない なぜ少し温度が低いかというと、私がその鏡に似た欠片たちに冷淡であるから 欠片同士が温度を打ち消し合います。 H市にきていま…

八月の午後

] 夏休み最後の一日はやっと夏の色を見て いまは駅で日が落ちるのを眺めています。

Goldberg

以前の転職の際、ある会社の人事の方と顔合わせをした喫茶店でこの曲が流れていたので すが、その方が「僕はグールドが好きで、職場でも聴くのですが、女の子達から蔭でレクター と呼ばれているらしいんですよ。」と急に言い出されて笑いがとまらなくなって…