蝉の声が作った木のかたちから出て 次の木のかたちまで
舗道は白い光に車の振動と微かな埃と遠くの校庭か
ら響く野球の音がまざる



夏が立ち止まるときがあった



釘のようなことばがあってそこに記憶がひっかかっている




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こういう作り方って邪道かも知れませんが、短歌をつくるときこんな風な
回想のスケッチみたいなものを作ることがあります。
これらをすべて繋げられることば(特に動詞)がひとつ見つかれば歌になり、
これらのことばはとても楽に捨てることができます。
ぜんぜんちがうものになっても。(むしろなってほしい。)