さらさらと細かい雨が木々に落ちていく先で
記憶の風景が層を成している



ではこの道は?



霧のような雨の小道を通って
秋まで歩いていった
自分の後姿を見たことがある
そんな筈はない記憶をいくつも重ねています



その動詞は余白のなかからやってくる



必要であるならどんな空白からも私は呼び出してしまう



同じ夏のふりをしていた
秋に着いて手を振っている