駅 という字に繋がれている馬




汽車の汽 のなかにあるみえないなにか




羽 のなかにある小さな跳躍





文字のひとつひとつを
ちいさな夢のように扱うとき




夢はきっと
意識的な断片ほどには
無責任な欠片ではない




ことばの行き交う場所に
やがて死んでいくいきもの として
居合わせて




手繰り寄せて 放して
手放さないと みえない
その都度 世界から
添付される翳を
今までずっと探していたものと
信じる
その可能性のなかだけで
生きているのは




本当に 夢のよう
散歩の途中の
土手の道の一部のように
記憶されることを
望みながら
どこか一部が破綻して
通路が開かれてしまっている
夢のようです