秋の端



晴れても降っても
美しい季節になった
犬とあるきながら
野焼き 柊 空 階 ...
風とか音とか数式とか
そらを空と表すしかない
そのときこぼれ落ちる茫洋としたものの
怖さとか も



醒めていく途中で静まる
秋の奥深く
足元から夜の来る前に
三目立ち上がって



たぶん中心からすこし遠い
周辺部分がとても好まれている表現 というものがあって
崖線のようなものを見ている と思う




たくさん 錯誤 されながら
たくさんの錯誤をゆるしてもらってきた




野焼き 柊 空 階 わたし
静まる中にひらく呪文が
長調だけで鳴く鳥がいる




とおい昔
真実から逃げたことがあった
真実がなにか わからないのに
逃げたことだけは
ずっと一緒に来た




本?