2017-02-10 記憶について 水滴のように今日をつたわり 私を通過して闇に落ちていったものが 知らない間に 重なっていて ガラス棒で攪拌したあと ふたたび 音もなく ゆっくりと 沈殿していく あっこれは 昔、雪のようだと思った あれ と思ったけれど 底のほうはもう見えない さよならも言っていないのに と思って さよならを言いたかったのか?と思う そんな間にも消えていく 消えていくのは ふたたび通過させてしまったから 雪のようだと思ったあれ 残るのはそれだけね