最小限のことばで生きていた頃、私(達)は過ぎるものでした
遠い窓を斜めによぎる 一瞬の色だけを記憶して




いまはもっとも非人間的なもの たとえば鏡 を
斜めに配置して
だれひとりとして持っていないうつくしい問い を
湿度の低い日に見える遠い丘の稜線 のようなものとして
そこにさがす 
それくらいしかできない




苦さを味わいつくされた7月が抜け殻のようにある
その貧しさが
私の悲しさであると いいと思う
それすら薄れていく そんなことがあるのなら







犬を預けてきました。
遠くの散歩だと思って嬉しそうにしていた犬を。