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...................................................................................."Equilibrista"


Folk Songs
'Folk Songs'  Egberto Gismonti  Jan Garbarek  Charlie Headen



先の3人組*1の共演した曲に
やはりGismontiの作ったEquilibrista という曲があります。
'Dedicated to Steven Reich'という但し書がついています。
Reich というのはミニマムミュージックの元祖のような人。


動画が貼れなかったのでうまく説明できるかわかりませんが、ミニマムミュージックという
のは最小限の音の連なりの単純な繰り返しによって展開していく音楽 といっていいと思
います。
予兆からなにかを知覚してことばが生まれるというのを「最小限の音の連なり」としてとら
えるなら、繰り返しながら展開していく音楽は考えるということに似ています。
そうしてだれもが自分の世界を補完し、作りながら歩いていくというなら、生きるということ
にも少し似ているかも知れません。


Equilibrista ですが、ここではピアノのGismontiの右手が8分40秒間、最初から最後まで
息つく暇もなく繰り返しを弾き続けてサックスをリードします。とにかく圧倒的。
私にジャンプが足りないのは、持続する志だけはあるにしても、信念と体力に欠けるか
ら?
すべてのことばをねじ伏せるだけの情動を奪われているから?
私が今の場所にいる理由は遠い昔のそれへの対価を払うためなのに。
そしてそれはそのもっと以前の一生納得することができないという予感の代償のような
ものとしてあった筈なのに。


Equilibristaというのは「軽業師」という意味だそうです。ああ、もう全く。



*1:今や大御所の人たちをつかまえて3人組などと呼んでいいのかわかりませんが