鳥は2


空中に張りめぐらされた鋼線
羽の下の骨
亀裂のような青空しか
こころに飼わない


伝染性の病のように
予感のさざなみが立って
直線的な離脱の意思が
まず最初に虚空へ抜け出し


傷跡のように走る都心の水路を瞬時に遡り


冬に着水する 波紋を引いて
つぎからつぎへと
白で埋め尽くしていく