折らばや折らむ
誰かのいのちの端が手の中にあって
自分のいのちは握れない
そんなあたりまえが
たまにあたりまえでなくなってしまうとき
意味を抜き取るのはきらい?
名付けられた瞬間に
遠のき色あせた背景を呼び戻して
いっとき錯覚の迷路を迷いたくなる
ほんのいっとき
いつの間にか地表に降りた霜を
朝日の中で見つけたように
私と関わらないというそれだけで
意味も世界もうつくしいのだと
(心あてに 折らばや折らむ 初霜のおきまどはせる 白菊の花 凡河内躬恒)
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義理の父親と呼んでいいのかよくわからない人が亡くなって、
周囲に急かされて迷った末に福井に行ってきました。白菊一色の祭壇でした。
行くべきだったのかいまだにわかりません