時が刻む


真夜中にふとこの家は漏水していると思うことがある。
漏水しているのは家だけではないと思うこともある。
漏水して何故いけないのかと思うことも。


最近やっと修理をしてくれる工房を見つけたとかで
夫は祖父の形見の時計を修理に出したらしい。
エテルナとかいうその手巻きの時計は何十年ぶりかにねじを巻かれ
何もなかったかのように時を刻む。


片耳をつけて新しい時の気配を拾う。eternity?
どこかを通過しては落ちていく水音も刻めないものか。