わからない と言ったら
嬉しそうに言う と言われた
美しいものを理解から遠く隔てた場所に
置いておきたい というのは
我儘過ぎるかな



それは先端が虚空にあっていつも震えるもの
そこではことばはひとくくりに
私の似姿を作り出してしまうような
そんな働きをしない



懐疑という、外気に晒されても
それごとさらに大きな真水の波を
常にかぶっていくようなこと
これを事実という以外に
なんと呼ぼう?



いつも驚く
驚くことができた頃のことを
少しずつ思い出している
欲望が過ぎたかな