さ くら



ロウティーンの頃までソメイヨシノは好きな花でした。
春休みになると病気になる子どもだったので、布団の中で
しっとりと柔らかく重たい枝先の花の群れを
大通りまで、見に行きたいとよく願っていた。
自転車に乗って角を曲がった途端、真っ白な桜吹雪につつまれて
驚いたことも。



先週の、冷たい夜の桜。
下向きに咲く花なので、見あげると目が合います。
花を見ると、真理は表面にあることを知って猶、
魂を演じようとしている という気がします。
とどまる形、今頃は暖かい風に乗って
消えているでしょう。