風景よりも


抒情は否定に乗る
否定に乗ることで長調になって


はじめて流れ出す 三月の音を
体が眠りを受け容れるときのように
耳は拾う (私の音として)



風景ではなく 和解や敗北でもなく
私は少し遠いその音をしばらく追って
いつか月日をそれに置き換えてしまうかもしれない
その時きっとほのあかるい それを
あなたに伝えられないのはとても残念です