きっかけ


昨夜の地震のときは、保護者会のあと食事をして各駅停車で帰る途中でした。
途中駅で停車した電車の明るい車内は、安全点検のアナウンスが5分おきくらいに
流れる以外は物音ひとつなくて、目をあげるとスマホを操作している人ばかりでした。


突然、大きな着信音が鳴り響いて前に座っていた年輩のご婦人が
ゆっくりと手提げ袋から、携帯を取り出しました。
隣の女の人が怖い顔をしていたせいか、とても周囲に恐縮した感じで
「うん。うん。電車止まっているけど大丈夫だから。」と
小声で話してすぐに切りました。母くらいの年齢の方。


急に空気が入れ替わったように音が戻ってきて
「二宮震度5」とか「緊急警報鳴らなかった?」とか囁く声が
小さな泡みたいにおこってきました。



その後、電車は45分程の遅れで、ゆっくりと走りました。