菜種梅雨



歯車を夜に浸してとおく近く振り子のような雨足を聴く



落ちた花も土鳩も雨に洗われて許されたときの生の危うさ



擦り切れた問いと答の眠るとき呼吸する春を知るものすべて



春の手紙を届けた家の表札を裏返しつつ行く配達夫





夢で池の周りを一巡二巡しました。

池だとわかってはいるけれど、空が映っているであろうその面は
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