覆うべきもの
晴天の夜
ということばがないとしたら
この空は何と言えばいい?
ひとつの錠前に
無数の鍵
白すぎる光と
色のない音が
星のあいだを永遠に
行き来して
反響のあいまに
劣化した
コンクリートや
むきだしの鉄骨が
重力に囚われて
やっと沈み込んでいるような
誰かが針金を危うく
あやつれば
どこかに歯車が
落ちていくような
突然
鳴り出す前の
ピアノのような
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実家帰りに支線の終電に乗り遅れ、仕方なく一駅歩きました。
なるべく上は見ないようにして。
ここでの雨雪はどちらかというと春の前触れ。ここ数日は犬まで電気を帯びています。