待降節


光とはかぎりあるもの転がりしボールは半球を蔭にひたせり



罅ある硝子に斜めに入る冬の日の散らばる淡き翳のかなしさ



赤き実をついばむ鳥を窓に見しいつまでもこきざみにあたまをふりて



夜の底はぬけておりたり手をのべて祈ることの葉は集めざりしか



われに力なくてよかりきもしあらば収容所のごときもの作るらむ



与ふかぎりの言質は与へむわれの及ばぬ遠き場所にて蘇りませ主よ