折り目をひらく


それは無理やり連れてこられたわけではなく
ある方向性に従って
失効しない約束をした結果なので



溢れるもの流れるものによって何かが更新できると思うことも
砂山のように崩れたり 開ききった花のようバラバラに零れ落ちる和解も
私はすでにどこにもいない。だれかのことばの一片に過ぎないのでははないかと
思うことさえ
おそらくとても勝手で都合のいい幻想なのです。



その対価としてここで得られる答には歴史が無い。そして多分幸福にも。
ここではどちらも意味を越えた偶然によって過ちのようにもたらされるしかないから。
だから何一つ手放しては駄目です。ここではないもっと直線的なもののなかに
平坦に見えてもそれを受け取る正しい場所とタイミングがあるから。



私の余白にあなたが見たものとあなたの余白に私が見たものが一致しなければいいと
思っています。
一致してしまえば、答の無い慰めと 何も言わない眠り 似たような問い。



すべてのことばは事象は意味を持つ 持たされている世界の外側から 
意味の無い空の青さに不意に問われることはありませんか。 
余白から架空へ 死を脱ぎ着しつつ 行き来しながら
答のない生をいったいどこまで生き延びられるだろうか と。