外は5月の光



川に向かっておりていく段丘のどこかにある寺院は、灰色の壁に囲まれている。
僧侶は「えにし」と言う。亡き人とのえにし、あなたとのえにし、
遠い世界とのえにし。
外は5月の光。亡き人はもうこの季節の光の粒子のようであって欲しいと思う。
私などとはまるで出会わなかったかのように、遠く自在に。


今日は亡父の四十九日法要の打ち合わせ。
結局すべては生き残った者のため。
亡き人の為にと思うことすら。