親戚から大量の牡蠣が届いて
殻のあけかたを子どもに
伝授したりしました



とりあえず
開けてすぐ檸檬を絞ってそのまま


ささがきした牛蒡と糸生姜と出汁で米を炊き


大蒜と唐辛子すこしとローズマリー、オリーブオイルで煮てベランダのイタリアンパセリを山盛りで


それでもとても2人では食べきれない


残った半分を小麦粉 卵 パン粉にまぶして冷凍庫へ
残りの半分は
八丁味噌を買ってきてだれか呼びなさい
健啖なひとを
鍋の仕方と足りないものを紙に書いて渡し
残された大量の殻を袋に入れて
固く縛る



知ろうと思えば調べれば足りることを
母猫のように教えている
息の根のとめかた
指にのこる匂い



私が昔、知っていた海は この季節
岬に近づいた流れを沖へとのがし
少しずつ透明度が下がっていく浅瀬は
朝には淡い光を含んでいるでしょう



窓を開けると夜風は柔らかく
潮の香りを消していった
草木の気配がくらやみに沈む
海からとても遠い
花の香り


「夜になると、形容詞たちが戻って来る、群をなして。 」