年末年始
殆ど台所に立っていて
日を追うごとに肌は荒れていき
腰が痛くなっていたのが
戻ってきたら1日で治って
少し悪いような気分になる
ここ数年のこと




犬を連れて実家周辺を散歩しました
家事の合間に




駅とは反対方向の
いつもは行かない閑散とした小さな商店街を抜けて
雑木林の中にある慰霊塔で折り返し
おばけ病院などと呼んでいた病院脇を通って
ときどき夢に出てくる畑の中の一本道を帰る



何十年ぶりくらいかの商店街は
酒屋以外は閉まっていて
病院は白く建て替えられ
畑は住宅地になっていました
目だけが表面を泳ぐ
書割りみたいに



退色した記憶の中の景色はいつも夕方で
帰り道はひとり
これは置き換えられることもなく心の奥底にある
そんな風には思われていなかったし
自分でも気づいてはいなかったけれど
あの頃の神経の立ち方は
怯え と言ってもいいものだったかもしれない
突然、誰にも知られずに訪れたと思っていた破綻も
当然の成り行きで



公園脇の石段に座る
今日見た景色が色褪せる頃には
きっともう犬はいない
母の家も と思ってしまって
でも陽だまりで犬は嬉しそうにこちらを見上げていて
ねえまたここに来る?などと
私はいいます