このこねこのこ



ねこのここねこ
こどもはふたり




ひとりの子 のことを
思う時は
怖くて苦しくて
心配するほど遠く
ことばはすべて
気休めに似てしまう




血縁 も そうでない縁も
ぐるぐると
記憶のなかの笑顔を
たぐっては
今の場所に戻って




苦しさが核にあるものだけが
真言とは思わない
ただ、楽観できるほど
見落とせない
目をひらき
心を立てる 私は
だれにも頼らない
動物に似ているだろう




すこし見通せるようになったら
また歪んだ小さな三角を持って




あてはまる角度を探し
私を通って先へとのびる線分を夢にみる
覚束ない人になる




帰るところはそこしか
知らない
また会おうね