絵葉書



月がはっきりとしていく前の 僅かな時間に
銀色のものが靡く
白猫の毛や 白線 イネ科の植物の穂  残る筋雲



すこしずつはやく暮れていく空が
日々あたらしくひろがるように
遠くの悲しみしか悲しめない



  悲しむ ということが ことばにすることだとしたら これを
  どう切り離して箱に?



晩夏お見舞い申し上げます 熟れた夏には 壊れた音が
仰向けにいくつも落ちました  そちらの夏はどう?



夢はみています。風の狭間に靡く紐